|連弾について、知っておきたい事
チェックしておきたい3つの話
1・連弾について
2・なんのために、連弾?
3・演奏者をなんと呼ぶ?
1・連弾について
「連弾」といえば、1台のピアノを2人で弾く、という感覚で捉えている人が多いと思います。あってます!
もう少し詳しく述べると、連なって弾く、なので、ピアノでなくても、構いませんし、1台のピアノに演奏者が3人でも4人でも「連弾」です。また、2台のピアノを使う場合は「ピアノ二重奏」「2台ピアノ」と呼ばれます。海外ではピアノ連弾を、Piano four hands、Piano duoという言い方をよくします。
では、いつから2人で演奏されるようになったのでしょうか。最古の連弾曲と言われているのが、17世紀の初頭にイギリスの作曲家が作った作品と言われています。この頃にピアノはなく、楽曲はヴァージナルというハープシコードのような楽器の為に、でした。
しかし、約150年もの間、演奏されることがなかったと言われ、その理由として、ピアノのように88鍵はなく、幅が狭かったため、並んで座ることができず、演奏される機会がほぼなかったから、だそうだ。18世紀の終わりにピアノが普及しはじめ、連弾曲というのが多く見られるようになります。並んで座っても余裕がありますしね。
2・ なんのために、連弾?
1人で演奏するのもいいけれど、2人で演奏したら楽しいから!。鍵盤を押す数も増えるし、上から下まで幅広く音は出るし、音に厚みも出るので、迫力もあるし。理由は、これでいいと思う、のですが、いちお世の中で言われている理由は、記述しておかなければいけないですね。連弾が広まった大きな理由として2つ、挙げられます。
1つ目は、教育目的。生徒と先生のために書かれた曲ということ
古くは、ハイドン(1735-1782)のディベルメント へ長調『先生と生徒』という曲。ハイドンが作曲した唯一の四手連弾作品でもあります。先生が先に旋律を弾き、生徒が真似して追いかけるような曲です。
全ての連弾が、こういった作風になっているわけではないですが、ピアノ初心者が演奏を学ぼうとした時、隣に先生がいると、実際に見て音を出して覚えることができるので、かなり有効ですよね。いろいろなメリットがあって、連弾が効果的だという研究も数多くあるのもわかります。
教育的な連弾の多くは、右に座る生徒が旋律を奏で、先生が伴奏をする、といった形が多いです。しかし、単なる伴奏パートと捉えるだけでなく、音楽教育上、それ以上の役割を担っている場合が多いです。
初心者が自然に、様々なことを学ぶようにできている場合が多く、連弾という音の魅力だけでなく、教育、技術の向上といった多くの面を備えているとも言えますね。
連弾曲は、過去に遡ってみると、多くの作曲家が作品を残しています。その中でも、アントン・ディアベリ(1789-1858)というオーストリアの作曲家は、とても多くの教育に有効なピアノ連弾を作曲しています。
2つ目は、オーケストラをピアノで表現するための曲ということ
ピアノの鍵盤は88鍵、かなり下から上の音まで出る。これは、オーケストラに相当する音域であり、2人で演奏すれば、より多くの声部が演奏できる。オーケストラのアレンジを、一つの楽器で表現可能なものは、ピアノしかないでしょう。そして、手が4つあれば、さらに多くの音が鳴らせる、というわけです。
昔の時代では、バレエやオペラの稽古のために、オーケストラの曲をピアノ連弾でまかなっていた事もあるそうだ。連弾のすごいところは、オーケストラのアレンジ版であっても、連弾曲自体が名曲となってしまう場合がある。ピアノという楽器、それを2人で演奏する、そのダイナミックさや音の高低も含め、表現力が大きく広がるのが「連弾」だ、とも言えるでしょう。
3・演奏者をどう呼ぶの?
右と左に分かれて座る人、どう呼ばれるのか、記述しておきます。
まず、2人で弾く場合、
高音部を弾く人は、プリモ(primo)または、1パート
低音部を弾く人は、セコンド(secondo)または、2パート
3人で弾く場合、
高音部を弾く人は、プリモ(primo)または、1パート
中音部を弾く人は、セコンド(secondo)または、2パート
低音部を弾く人は、セコンド(secondo)または、3パート
では、ペダルは誰が踏むんでしょうか?たいていの場合、低音部を弾く人が踏みます。教育にも使われていた事や、伴奏的な演奏が多いことを考えると、自然なコトかもしれませんね。もちろん、どっちの人が踏んでも構わないです、ルールはありません。
いくつか、有名どころの連弾をのせておきます。いろいろチェックしてみてください。
・ブラームス 『ハンガリー舞曲 第5番』
・シューベルト 『軍隊行進曲』
・ドヴォルザーク 『スラブ舞曲 第2番』
・ラヴェル 『マ・メール・ロア』
2台のピアノを使った曲も、のせておきます。
・モーツァルト 『2台のピアノのためのソナタ K.448』 のだめカンタービレで、のだめと千秋が演奏してましたね。
・ショスタコーヴィッチ 『2台のピアノのための小協奏曲 作品94』
ここでは、クラシック音楽と呼ばれる作品を紹介していますが、最近では、ポピュラー音楽なども連弾にアレンジされて、演奏される機会が増えてきます。それだけ、楽しみの多いと言えるのが「連弾」という世界なのでしょうね。
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